『「意味」No.89』

「君は誰?」

「僕かい?」

「そう」

「僕はカバだよ」

「カバなのかい?」

「そうカバだよ」

「でも、今の僕には君はカバには見えないよ」

「そうだろうね」

「えっ、どうして?」

「それはねぇ、君の思考に入っているからだよ」

「そうなんだ、僕の思考に入っているんだ。
でも、どう見ても人間じゃないか」

「そうだろう、そうだろう。
思考に入るとそうなるんだよ」

「そうなんだ、思考に入るとそうなるんだ。
でもどうして僕の思考に入ったんだい?」

「それはね、君が僕を求めていたからなんだよ」

「そうなの?僕が君を求めていたのかい」

「そうだよ、そうだよ。
だから現れたんだよ」

「そうか、ありがとう。
でもどうして現れてくれたんだろう。
僕は求めたつもりはなかったんだけれども」

「深層心理なんてそんなものだよ。
僕たちは人間には分からない、特殊な意思伝達能力があるからね。
君ももうそろそろ人間をやめてカバになってみないか?」

「みないかって言われたって、そんなの人間だから無理だよ」

「大丈夫だよ、輪廻転生って言葉は聞いたことは無いかい?」

「聞いたことはあるけど、意味は分からないよ。」

「そうだろうね、僕たちはカバにもよく分からないよ。
でもね、一つだけ分かる事がある。
輪廻も愛も平和も、実はカバも人間も求めている事なんだよ。
だから、くよくよしちゃダメだよ」

不思議な夢を見た。僕は明日、死刑になる。

        ほな!

小林泰みがある

小林さんの事は分かりませんがコメントありがとうございます。 ほな!