『「幸せについて」No.92』

ものすごく真面目な男がいた。

朝は決まった時間に必ず起き、朝ごはんを食べ身支度をして出かける。

自分のリズム、自分の世界を大切にし過ぎたせいか、友達というモノはいない。

それでも彼は揺るがない。

仕事にも余念がない。

黙々と淡々と無心に進める。

仕事も自分のリズムがあるから、残業はしない。

その代わり時間内はキッチリ仕事をする。

仕事を終え同じ場所に帰ってきてベッドメイキングをして就寝。

彼は揺るがない、揺るがなかった。

会社を解雇されようが、家を差し押さえられようが、妻と子供が出て行こうが。

そして彼は気付いた。

会社が無く、家が無く、家族が無い。

とても自分らしいと自分しか存在しない。

幸せのカタチは人それぞれである。

        ほな!

この短編小説にはまだコメントがありません。
ぜひ一番最初のコメントを残しましょう。