『げーむおーばー』

 私は今戦場にいる。自分をみると軍服を着ている。隣を見れば戦友が必死に大砲で応戦している。どうやら私は砲兵として任命されここにいるようだ。
 戦友は応戦してるだけあってかかなり興奮した状態で「そういや知ってっか?ミーヤキャットって1人いると死ぬんだってな。」
 それはウサギだ、馬鹿め、と思いつつ「へー。」となぜそんなに興奮しているのか分からないので普段話しているテンションで返答する。
 そんな話をしているのも束の間、隣にいる砲兵Cは寝ている。そのまた隣の砲兵Dはまさに今寝転んだ。
 何寝てんだよ、お前らなめとんのか。と思いながらも真面目に撃ち続ける私と戦友。しかし戦友が何か焼き肉のタレのようなものを全身から浴びて倒れ込んだ。どうやら戦友もまた寝てしまったようだ。
 お前たち…私は恥ずかしいぞ。しかしなんでみんな寝てんだ?と考えてそこで思い出す。そうだ、私は今戦場にいたんだ、なら寝てる奴らは…死んでるってことか、ときづいた瞬間強い衝撃と共に私の記憶は途切れる。
 目を開けると私は上を見れば中世の王宮にあるようなシャンデリア、下を見れば湖のように透き通った大理石の床。とまあ古めかしくもどこか上品さを感じるホテルの真ん中に立っていた。そんな中私は1人ダラーと伸びきったワイシャツと真っ青なジーンズを着ているだけのそこにいるのは不自然なはずの人間だったが誰も何も言ってこない。
 エントランスを見たところ人の行き来が盛んであったので結構人気のあるホテルなのだな、思いつつ何も言ってこないのでせっかくだしホテルを見学しようと徘徊してみる。
 やがて一番奥に着くとそこはまるでプラネタリウムをみているかのような光が私を襲った。目を慣らし何事かとよくみると、そこは宝石を管理する場所だった。
 部屋をよくみると1人の老人がいた。その老人は背格好は、160センチメートルくらいの髪の毛は薄く無精髭を生やし、口元には豆大福のような大きなホクロをつけたごく普通の老人だった。ただどこか不思議な雰囲気であった。
 どこかこの部屋と老人はどこか気味が悪かったので部屋を立ち去ろうと、すると老人が「excuse me boy. I wait my friend. Because not coming my friend to this hotel, so I find to come here. But I get lost.」と少し困ったような笑ったような顔で私にも分かるように言ってきた。私はこの人の英語を聴いてこの人の違和感に気づいた。不思議な雰囲気の正体はこの人の目が碧眼であったからか。でもなんでだ?碧眼かどうかなんてさして気になる問題でもなかろうに。まあいいか、今はこの人の会話を聞こう。
 しょうがないので私も英語で「i just go back to entrance. Would you like to go with me if you like?」とやや片言で言うと老人は笑顔でついてきた。
 やがてエントランスに着きこのホテルを詳しそうな人に老人を預けるために私は老人に「I’ll find a hotel clerk. Please wait for a moment’s.」と言って人を探しているといかにもホテルに詳しそうな赤い警備服を着た1人の警備員がいた。しかしここは一体どこなんだ?ホテルなのは分かるがなんかおかしい、とかの名探偵のように思考するも分からないので、まあ今はいいやと疑問はそこらへんに投げて警備員に話しかけようとする。だがその人も老人と同じく外国の人っぽかったので私は「excuse me. I found a lost aged. Would you like to see him.」とやや通じるか微妙な英語で事情を説明すると警備員に通じたらしく「Yeah!thank you. By the way, where is the aged? 」聞かれたのであっちだよと指を刺した。指だけ刺してもしょうがないのでこっちきて、と合図し一緒に来てもらった。
 すると警備員は急に流暢な日本語で「僕はね家内が日本人なんですよ、だから日本語で全然いいですよ。」と言ってきやがった。じゃあ最初からそうしろボケ、という視線を送りつつ「へー、そうなんですね。」と少し冷たげに返事をした。
 冷たげに返事をしたはずなのに警備員は乗ってしまったらしく「僕には娘がいるんですよ!その娘が最近コラショにハマっててね。」いやコラショって最近の人わかる?コラショまあ分からんよね…なんて私は1人ツッコミをしていると隣で目を大きく開け肌を真っ赤にした、それこそコラショのような警備員が私の目の前で「朝だよ!起きて!!」と言っいるのを見た瞬間私は意識をなくした。
 目を覚ますとゲームオーバーと表示がされている。私はゲームの中にいたのか。そうか、だからあの碧眼に違和感があったのか。ここは近代日本、私は日本人でゲームを使って色々な場所を回っていたんだ。

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