『分け合う涙』

死んだ。蓮が交通事故で衝突。コンクリートに頭をぶつけた。
そのとき、私は近くにいなかったけど、彼女である三咲からの情報では、救急車に運ばれ、病院に着いたときには、命が消耗したそうだ。
私は急いで向かい、病室に着いたら、布が顔にかかった蓮の姿があった。
挨拶が一礼できないほど、おばさんは泣き倒れ、おじさんが慰めてる状態。でも、あれは泣いてたな。目が充血してたからね。
三咲は病室に出て、黙って泣いていた。
手にはスマホ。蓮との二人の写真。混じって、私と三人で撮ったプリクラも見つめていた。
ふと、私を見つめる。
「圭織は泣かないの? 幼馴染みなのに?」
「ごめんね。泣けなくて。でもね、辛いのは一緒」
三咲は納得した。
その肩に手を添えて、慰めたかった。しかし、慰めて癒えるほどの苦しみではない。わかってる。しかし、やった。
一滴分くらいは消えると思って。
「ありがとう」
それでも、涙は止まらない。そんなの予想の範囲内。しょうがない。死んだんだし……。
言い訳をする内に、天の邪鬼をしている内に、涙が零れる。きっと、もらい泣きだ。言い聞かせる。
「やっぱ、圭織も辛いんだね。一緒に泣こう?」
その夜、私たちは抱き合って、泣き合った。

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