『宇宙アメ』

そのアメは、1粒100kmだった。
1粒で宇宙に行けます!と嘘みたいなパッケージにつられつい買ってしまったが、まだ信じられない。

僕の夢は宇宙飛行士。某大学理学部2年生。
必死に勉強した。いや今もしている。それなのにアメを舐めただけで宇宙にだって?
ただの釣り文句に決まっっている。そう信じて1粒舐めた。
僕は宇宙の中を泳いでいた。「ドラえもんか?「」と1人突っ込みをしたけれど誰も答えてはくれない。
「嘘だろーーーーーー」と叫んでも声にならなかった。真っ暗な中見たことのない量の無数の星。

それは麻薬のようだった。もうやめられない。
パッケージの裏にはひっそりと『注意!最後の1粒を食べたら宇宙人になります』と書いてあった。

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