『日常』

 ぼかぁ改造人間の紺。
 時代はロボット真っ盛りの時代。それだけに人間にはもう仕事というものがなくなってしまった。
 ぼかぁそんなロボットたちに対抗するために改造された新しい人類。それが僕、紺。
 僕の望みはただ一つ。人類の復興。
 でもぼかぁすぐに捨てられた。
 なぜかって。ぼかぁ動くよりも食べる方が多いから。真っ黒な服を着た偉い人たちは僕の検診のたびに「どうにかできないのかね?これを造ったのは君だろ?」なんて僕を作った博士を責めるんだ。
 全く笑える話だろ?望まれて造られたはずなのに邪魔者扱いさ。
 まあけど偉い人の言うこともわかる。なんたってぼかぁ一食で成人男性の3食分の食事と30リットルのガソリンを飲まないと動かないのさ。
 ガソリンはもう地球上にほとんどないって言うのに僕のためにわざわざ取ってもらってる。それなのに僕の作業量はそこらのロボットの半分程度さ。
 そりゃゴミ扱いされるよね。でも生きていれば何か必ず僕の望みが叶う時が来る。
 そうおもっていた。それから幾年月がすぎた。
 ボカァもう錆でボロボロサ。博士にも捨てられ整備もろくすっぽさ。もう廃棄場でゴミみたいに座っテイル。今日も僕の隣に止まっている鳥とオハナシノイチニチサ。
 今の楽しみは空を見ること。そんでもって話し終えた鳥が飛ブノヲミてその鳥がどこにいくのかを想像すること。
 望みはとうの昔に捨て去った。あるとすればハヤクコロシテクレレ。でもみんなボクを気味悪がって殺してくれない。だから何年もこうして朽ちるのを待っているのさ。
 ダレカ、ボクヲミテクレ。

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