ある日、アマガエルが友達を亡くし何日も何日も泣いて悲しんでいたところに、魔女がやって来て言いました 。
「そんなに泣いては綺麗な瞳が台無しになる。どれ、お前さんの涙を止めてやろう」
アマガエルは泣きながら魔女の言葉に応じました。このままずっと泣き続ける以外に何をすればよいか、アマガエルにはわからなかったのです 。
「お前はもう泣くことはないよ」
魔女の魔法によってアマガエルの涙は止まりました。しかし、アマガエルはすぐに気が付きました 。
「涙は止まった。けど、心はまだ悲しいままだよ」
「そんなことはない、涙は止まったんだ。悲しいはずがあるか」
魔女はアマガエルのもとを去りました。残されたアマガエルは涙を流さないものの、心はいつも泣いていました 。
「友達のために泣けないことがこんなに悲しいなんて」
アマガエルは涙を流さずに泣いていました。ずっとずっと、毎日独りで泣いていました
どれくらい泣いた頃でしょうか。ついにはアマガエルの瞳から血の涙が流れました。美しい赤い涙は、アマガエルの瞳をいっぱいに満たし、赤く染めました。
今日も醜い赤目のアマガエルは、友達を想って泣いているのです。
すごく好きです!
>多田野茂夫さん ありがとうございます!