椅子とテーブルがあり、そこから眺める海と崖がある。
空は低い。海と窓の間には、広場と道路と庭とテラスがある。
誰も居ない、海鳥はいる。波は荒い、雲は速い、風が時々窓を鳴らす。
今は何時だろう、朝ごはんは食べたはずだ。
昼にはなっていない、夜はどれくらいで来るのだろう。
テーブルの上を見た、クロスがはってある。
真ん中には質素な花瓶にガーベラ、飲み残しの冷えた珈琲。
耳をすました。コチッコチッコチッ、時計の音がする。いったん気にすると耳ざわりに感じる。
波の音は聞こえない。
そもそも目の前に見えているのは海なのだろうか。
正気に戻ったら泡のように消えるのではないか。
ゾワゾワと網膜に海の残像がへばりついている。
それだけなのかもしれない。
ここでは本当の事は誰も教えてくれない。
だから私が正解なのか不正解なのか私も誰も知りはしない。
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ほな!
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