『「ランド」No.2』

椅子とテーブルがあり、そこから眺める海と崖がある。

空は低い。海と窓の間には、広場と道路と庭とテラスがある。

誰も居ない、海鳥はいる。波は荒い、雲は速い、風が時々窓を鳴らす。

今は何時だろう、朝ごはんは食べたはずだ。

昼にはなっていない、夜はどれくらいで来るのだろう。

テーブルの上を見た、クロスがはってある。

真ん中には質素な花瓶にガーベラ、飲み残しの冷えた珈琲。

耳をすました。コチッコチッコチッ、時計の音がする。いったん気にすると耳ざわりに感じる。

波の音は聞こえない。

そもそも目の前に見えているのは海なのだろうか。

正気に戻ったら泡のように消えるのではないか。

ゾワゾワと網膜に海の残像がへばりついている。

それだけなのかもしれない。

ここでは本当の事は誰も教えてくれない。

だから私が正解なのか不正解なのか私も誰も知りはしない。




ほな!

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