『「無い物ねだり」No.22』

どうやったら君みたいに綺麗に転がれるんだい。

さぁ、どうしてなんだろう。

最初から丸かったしなぁ。

そうか、良いよなぁ君は最初から丸くて。

どうだろう、でも良いじゃないか君だってそのカクカクした所が素敵だよ。

でもこれじゃ、転がれないんだよ君みたいに。

なぜそこにこだわるんだよ。

別に転がれなくっても良いじゃないか。

いや、転がりたいんだよ。

しかも綺麗に。

わからんなぁ、僕には。

僕は君の方が随分と羨ましいよ。

嘘だ。

そんな筈はない、みんな君のとりこさ。

僕の方こそ羨ましいよ。

そんな囁きが建物の間の隙間から聞こえる。

暗くて何も見えないが。

      ほな!

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