手を繋ごう。
そうやって手を繋いでいた。
一人では立ち向かえない、相手だってこれだったら勇気が湧くよ。
手を繋いでいるから、不安感も無いよ。
暖かさを感じるよ、手の温もりから。
けれども何時しか、手を繋いでるのが普通になった。
当たり前なんだ。
当たり前のように手を繋いでいる。
手を繋いでいる。
ありがたみが薄れてくる。
・
・
・
・
ある日、繋いでいる手を見た。
繋いでいると思っていた。
手が手から離れていた。
手を探した。
見つからない。
手が見つからない。
当たり前と思っていた手が、何処かへ消えた。
感触だけ残っている。
ほな!
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