『「漠然」No.30』

靴紐を結んだ。

靴紐を結ぶのが下手くそなので、縦結びになってしまっている。

小さい頃からそう。

結んだ靴紐を見た。

結んだ片方の紐が長い。

長い事に気付いたんだ。

どうしてこんなに長いのだろう。

どれほど長いのだろう。

紐を持って引っ張ってみた。

いくらかのたわみがあったのだが、それはすぐに無くなった。

ピィーンと張る、何処かに繋がっているのだろうか。

紐を伝い紐の導く処へと向かう。

家のドアを開けるとそこには、日常ではない光景が目の前に。

綺麗な砂漠だ。

何処まで続くのだろう。

暑くない、空気も乾いていない程よい気候のようだ。

紐を伝い歩き続ける。

ふと気になり後ろを振り返る。

後ろを振り返ると出てきたドアは無くなりつつ海が広がっていた。

ここは海岸だったのだ。

砂漠では無いものだから気候が程よかったようだ。

とはいえ、砂の世界は続く。

        ほな!

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