うねった道を真っ直ぐに歩く。
ボロボロの電信柱とピカピカのゴミ箱。
グレーの空には太陽は無い。
その代わりに白い結晶が下りてくる。
同じ家ばかり続く。
ボロボロの電信柱はよく見ると、13本に1本の割合で綺麗なのがある。
ピカピカのゴミ箱はよく見ると、86箱に7箱の割合でフタのないのがある。
ボロボロの電信柱はよく喋る。
たわいも無い事をとにかく喋る。
サーフボード抱えたジャージの話や、1850年生まれの片方だけの革靴の話が好きで、1日に5度は話す。
ルマンチャスとペグリーヌの話は年に1回しか話さない。
それらの理由は全くもって知らない。
恐らくボロボロの電信柱にも解らないであろう。
ピカピカのゴミ箱はダンスについて考えるのが大好きだ。
毎日毎日ダンスについて考えている。
しかし全然答えは見つからない。
ルスーワット島のチャパル族のダンスや、ゾールセナヌン国のザクディム地方のダンスなんかの事を、考えるのが特に好きだ。
考えているとうっとりする。
考える理由なんてどうでもいい。
考えている事が幸せなんだ。
いくらか時間が経ったようだ。
折り返し地点らしい。
地面を見た。
白い結晶が空に戻り始めている。
ほな!
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