手に持っているモノは何か?
ナイフか、ピストルか。
心に持っているモノは何か?
特殊な思想か、幼稚な思考か。
「お前、皆んなから疎まれてるぞ」
「そうか、構わないよ。こっちとしてもそれは都合がいい。君も僕には近付かない方がいいよ」
「何故そういう事を言うのだい。こっちは心配しているのに、寂しいじゃないか。とにかくもう少し他の人の事も考えろ」
「別に良いじゃないか、僕は僕なりの個人としての考え方や感じ方、感覚ってものがあるんだよ。君のそれとはまた違うよ。頼むから放っておいてくれよ」
「そこまで言うのであれば仕方がない。もう構うのはよすよ」
「ああ、そうしてくれたまえ」
そんな彼も本当は愛が欲しかったのだ。
治りもしない病に侵されて、それも人には言えず抱きしめてくれる家族も恋人いない。
後は粛々と死がやってくるのを待つのみだ。
生まれもしていない、人間の話だが。
ほな!
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