『「頭巾」No.48』

赤ずきんちゃんは言いました。

「おばあさんもお母さんもどうして私の名前ではなくて頭巾で呼ぶの?
そんな事続けるなら、これから私だっておばあさんの事を、ヨレヨレのエプロンって呼ぶわよ」

おばあさんは言いました。

「まぁまぁそう言いなさんな、赤ずきんや。
ところで私の事を聞いてはくれまいか?カラダの特徴とかについて」

赤ずきんちゃんは言いました。

「そんな事はどうだっていいのよ。
問題は頭巾よ。
そんな事も分かってくれないおばあさんなんて、オオカミにでも食われてしまえばいいのよ」

そう捨て台詞を言い、おばあさんの家を出て行ってしまったのでした。

赤ずきんちゃんは途中で猟師とすれ違いましたが、別に何のことはありません。

猟師は言いました。

「オオカミが里に下りてきてるから気を付けなさい、赤ずきんちゃん」

そう言われ、赤ずきんちゃんはまたキレたくらいだ。

数日後、おばあさんのお葬式がありました。

赤ずきんちゃんはヨレヨレのエプロンと言いながら、泣いていました。

         ほな!

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