『「あん」No.63』

「誰だ、君は」

「僕ですか、僕は陽気な宇宙人のパピーです」

「嘘をつけ、どう見たって、ただの酔っ払ったサラリーマンでは無いか」

「僕は陽気な宇宙人だから、酔っ払ったサラリーマンに変身しているだけさ」

「なら分かった。
元の姿に戻ってみろよ」

「あん?」

「あん、ってなんだよ。
元の姿に戻ってみろよ。
って言ってんだよ」

「あん?」

「むかつくやっちゃな。全然、陽気な宇宙人のパピーなんかじゃない。
不愉快だ」

「僕は陽気な宇宙人のパピーなんだから、それでいいじゃないか」

「だから、元々がそのサラリーマンなんだろ?」

「あん?」

「あん、はやめろ。もういいから、早くうちの家から出てけ。
知らない奴がいると、気持ちが悪いんだよ」

「あん?」

「こいつマジでムカついた。
いいな待っとけよ、今から警察に電話するからな。
そしたら直ぐに警察が駆けつけて、お前を捕まえてくれる。
分かったな」

「あん?」

「もしもし、警察ですか?あの変な酔ったサラリーマンが、うちの家にいて出てかないんですよ。なんとかして下さい」

「あん?」

「なんでお前まで、あん、なんだよ」

                ほな!

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