「誰か助けてぇ」
「はいなんでしょう」
「変な人に追われてるの、助けて下さい」
「はいはい、助けましょう。
でどうすれば助けになるのですか」
「え?」
「いやだから、どういう風にしたら、あなたの助けになるのか聞いているのですよ」
「先ほども申しましたように、私は変な人に追われて逃げてきたのです」
「じゃあ、もう大丈夫じゃないですか。
逃げてきたのでしょ」
「まぁ…」
「誰も来ないじゃないですか」
「はぁ…」
「助けようがないじゃないですか」
「えぇ…」
「困るんだなぁ、そんな無用心に人を呼んじゃあ。
もっと困ってる人いっぱいいるんだよ」
「はい…」
「はい、ってねぇ。
まぁいいや、しょうがない、そこで怯えた感じにしてて」
「はぁ…」
「やいやい盗賊、おいらが相手になってやる。
どっからでもかかってきな」
「やぁー」
「えっ」
「有り金全部出しな」
「マジでか」
「女だと思って油断するからこうなるのよ、なんとか侍さん」
「痛てぇぇぇーよぉ」
ほな!
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