サスペンス

  • にゃあからん
    「可愛いね」  そう言いながら私の頭や喉元を撫でてくれた。  決まった時間になればご飯をくれて、お水も綺麗なものを用意してくれて、長くなった爪を切ってくれて、シャワーで身体を綺麗にしてくれた... 続きを読む
  • 影響夜と藍
     外では蝉の声とサイレンが鳴り響いている。汗が肌に張り付く。そんな夏の不快感を冷たい彼との抱擁で相殺する。 「俺はやっぱお前に一番影響を与えたいし、与えられたいなぁ。それが理想のカップルだよね... 続きを読む
  • 無題yushi
     私の周りでは人が死ぬ。物理的、心理的に距離が近い相手から死んでいく。人の死に目にあうというのは実はそれなりの希少度を持つ体験らしい。小さい頃からあらゆる死を見てきた私は死神や疫病神の類だったの... 続きを読む
  • 金木犀2yushi
     十月中旬の金曜日。別に行きたい訳でもないけれど足が向く場所がある。大学に入ってから欠かさず行ってるものだから、教室からの道のりならば目隠しをしていても行けるんじゃないかと思っているほどだ。友人... 続きを読む
  • 金木犀yushi
     平時であればゆっくり歩みたい金木犀の道も今日ばかりは駆け抜ける他になかった。季節は秋。美しい花々を嫌うように降る雨は一層激しさを増すばかりだ。今では日課と呼んでも差し支えないこの図書館通いも今... 続きを読む