『色褪せる』

大学生になって、僕は思う

嗚呼…、大人になっていくんだな、と

数年までダサいジャージを着て、みんな必死に勉強をしていて、必死にもがいていた

それも段々と無くなっていって、あの頃みたいに必死に生きる事が無くなっていく

顔色を伺って、好きな事も喋れなくなって、嫌いな奴にも笑顔で頷かなきゃいけない

満たされない日々を繰り返して、光の見えない不確かな未来へと1人で歩かなきゃいけないんだ

そんなこと、当たり前だって分かってる

分かってるんだ

それでも僕は自分の思うままに生きたい

満たされない日々を蹴飛ばして、見えない光に手を伸ばしながら必死に生きていたい

正しさなんか分からなくて、それでも矛盾した自分と向き合っていたあの頃の僕らみたいに

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