『お漏らししちゃった』

「またあなたっらお漏らししてぇ!」
女性の声がする。
顔に布をかけて布団に身を包んだ人の股あたりを女がタオルで拭いている。
「あなた最近、寝るたびにお漏らししてるわよー。いい大人が恥ずかしいったらありゃしない」
どうやら寝ている人は男で女の旦那のようだ。
「そんなに昨日のアレが効いたの?刺激が強かったかしら?激しかったものね。フフ」
女は笑顔のままテキパキと男のしつけをする。
男の顔がプルプル揺れた。
「あなたー起きてるの〜?」
すると男の揺れはピタリとおさまった。
が、また少しすると揺れて止まってを繰り返す。
「まったくもう…言ってくれればいいじゃない。会社から電話がかかってきたけど、これじゃあいけないわよね…まぁ自業自得だからしばらくはこうやって反省しなさい…」
男はまだプルプル震えている。
「楽になるまでもうしばらくあるから、しばらくは楽しみましょうよ?ね?」
男の震えが激しくなる。
「そんなに喜ぶこと〜?フフ…かわいい人ね」
女はそう言って男の顔にかかった布を取った。
「本当にかわいい人」
男は口を布で縛られて喋れなかなっておりよだれを垂らして何か訴えるように唸っている。充血した目は見開いたまま女の方を見ている。
「私が警察に行くまでここでたっぷり楽しみましょうね!」
そう言うと女はタオルをもう一度男の顔にかけて部屋の奥へ消えていった。

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