桜が咲いてまた春がやってくる
童もいづれ坊になって年老いて死んでゆく
それは何十年、何百年経とうが変わらない
現世で唯一不変の理だ
人の生の輝きも、唯一不変のものでいられるのだろうか
少し肌寒い春空を見上げてそんなことを考えていた
きっと答えなんてずっとずっと昔に出ていたのだろう
懐かしさにも似た気持ちを胸に桜並木を歩き出す
これから先私は山ほど考えて、悩んで、必死に間違いながら生きていくのだろう
それは人の美しい生き様だ
誰にも真似のできない輝きだ
何にも負けることの無いその美しい輝きを胸に生きていたい
「来年もまたその次の年も、桜が見れるといいな」
私はそっと瞳を閉じると静かに呟いた
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