『Happens every day. #1』

ある日突然、今までの全てが線で繋がれ、狂おしいほどの愛情が生まれてしまった。

この想いは、音楽家たちによって言葉に紡ぎだされ、世界中で唄われるよくある恋愛感情だというのは理解している。

だがやはり、どうしようもない想いが胸を締め付けてくる。

Dearest、最愛の人。

明日世界が終わるとしたら今日を一緒に過ごしたい人。

世界で一番幸せにしたい人。

彼女の幸せしか考えられず、自分のすべてを彼女に捧げても一切の後悔がない。

彼女のすべてが愛おしく、歳を重ねてできる皺をも愛せると断言できる。

相思相愛がかなわなくても、こんな想いを寄せる人がいることを伝えることは、彼女という人を肯定することにならないだろうか、と何度も考える。

しかし、想いを伝えることで、彼女に受け止められない重みを、負担を与えてしまうことになると思うと、やはり伝えない方がよいのだろう。

自分のこれまでの価値観は一度すべて分解され、彼女がいる世界を前提に組み替えられてしまった。

不可逆の世界。

彼女なしの世界はもう考えられず、新しい自分の中に、僕が知らない彼女のすべてをとりこんでいきたいというこの想いは、万能の薬である時間が解決してくれるのだろうか。

どうか世界よ。

可能性がまだある、この幸せな時間を。

もう少しだけ僕にください。

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