『タイムループ』

俺の身にはいつの日からか、タイムループが起こり続けている。

平日は毎日朝早くに起き、朝食を食べ、満員電車で通勤し、夜遅くまで働いて、家に帰って寝る。
休日は平日の疲れからか9時過ぎまで寝て、ダラダラと過ごして1日を終える。

同じ時間のサイクルで生活をして生きている。

この生活が嫌いかと聞かれたらそういうわけでもないが、この生活にとても満足しているかと聞かれればこれまたそういうわけでもない。

刺激が足りない。この一言に尽きる。

俺の身にタイムループが起こっているという確実な証拠は何一つ無いが、俺は自分の身にタイムループが起こっていると確信している。

なぜかって?今俺がこんな刺激の無い生活を送り続けているのは俺にタイムループが起こっていないとおかしいからだ。

だってそうだろう。俺はもっと刺激のある生活を送りたいと思っているのにそんな生活を送れていないのは俺にタイムループが起こっているせいだとしか考えられない。

タイムループが俺の身に起こっているせいなので、俺にはどうすることもできない。

もし俺がこのループから抜け出せることが出来たなら、今すぐにでも刺激のある生活を始めることが出来るだろう。

でも俺はこのタイムループから抜け出すことが出来そうに無い。

だから、仕方ないのだ。

俺がこの退屈な刺激のない生活を送り続けているのは全部、俺の身にタイムループが起こり続けているせいだ。

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