『埼玉県境踏破記録 ~エピローグ 目標を失う~』

人間というのは目標を達成した時に、早く次の目標を見付けないと、原動力を失うわけであって、照は次にどんな山に行こうかと考えていた。
1つは甲武信ヶ岳~国師ヶ岳の空白地帯を埋めるというのがある。大弛峠駐車場から楽をしようとしても、往復で12時間は掛かるコースとなる。どうせなら西沢渓谷から鶏冠尾根を抜けて、周回ルートを作りたいが、地味にハードである。
もう1つは国内3000m峰制覇がある。登っているのは、今のところ全21座のうちたったの5座である。未経験の北アルプスもあったので、ルートやアクセス、山小屋など色々調べてみたが、アクセスが一番の問題になりそうだった。1人で行くにはお金がキツイ。
そんな訳で、直近の目標は6歳になる息子の富士山登頂に設定してみた。今まで高尾山、金時山、筑波山、三頭山、日光男体山を登っていて、体力的には問題なし。コロナ騒動の終息が9月中頃であれば、今年のうちに挑戦したい、照はそう願うことしかできなかった。

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