『化け物』

 6月11日

 僕は今日も、お仕事をしている。

 皆で列になりながら。

 皆、張り切っている。

 僕らは皆、お母さんのために。

 家族のために、働いている。

 今日も、誰かが作った道を通っていく。

 せっせせっせと働いて。

 今日も、頑張らなくちゃ。

 6月12日

 今日は、僕の家が、大きな化け物に襲撃されていた。

 いつもは何もしてこなかった、化け物。

 時々踏まれそうになるけど、あいつらの足はごつごつしていて、少しよければ大丈夫だった。

 でも……今日は。

 僕たちの家が……埋められていた。

 頑張って作った家。

 皆で作った家。

 その入り口を、足でぐりぐりぐりぐり。

 僕はすぐに、その足にしがみついて、止めようとした。

 でも。

 その足は埋めるのを辞めない。

 やめてよ

 やめてよ 
 
 やめてよ……

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 これは、僕の日記なんだ。

 これを読んでいる化け物……なんて言ったっけ……?ニンゲン、だっけ……?の君たちなら、一度くらい、あるんじゃないかな。

 土の中の僕たちの家の入口、ふさいだこと……。

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