『赤い夢』

朝起きたら大雪だった。その積雪量にもびっくりしたのだがなんと共産革命が起こっていた!何と弊社“オフィースリカーウェル”も長野県営企業になっていたのだった。これで試験も受けずに公務員になれたと喜んでばかりもいられない、まじめな格好をして頭シチサンにして今日から県庁に当庁だ!給料は他のみんなと一律だ!
 じゃあどうするか?県庁はとりあえず良くて市役所の生活課に行ってみよう。行ってみた。でも、皆んな県からの配給で困ってる人なんて誰もいないとのことだった!でも金持ちもいなくなって、私的な用で弊社を使ってくれる人もいない模様だ!
 その時だった。各所でカツアゲ事件が勃発したのだった!喧嘩自慢の元ヤクザやそれと連んでいるスーパー・ブッツリ大学を出ている奴らが、一律の配給を不服として立ち上がったのだった!ターゲットはとにかく弱い奴らだった。喧嘩も弱けりゃ頭も弱ーガキだかE.T.A.の奴らを脅迫しカツアゲげを開始したのだったぁー!私も一緒にその活動に加わろうと思った。その時県知事から電話が入った。“カツアゲ対策を講じたいにで直ぐに登頂してくれ”とのことだった。まあ、いっくら何でもカツアゲに加わると言うのは気が引けたので、”直ぐに向かう”と答え電話を切った。まあ、警察官も一律の薄給で変ちょこりんな弱っちいやつらの見方も積極的にはしない時代が到来していたので、これは手の打ちようがないと考えながら車に飛び乗った!向かう途中にも雪の中三人ぐらいやっぱりカツアゲされていた。まあ、資本主義の時代ではさしずめ無職の浮浪者であったろう奴だった。”やっぱりヘンテコな革命が起きても一緒だなぁ”と思い県庁に辿り着いた。
 6階に行ってミーティングルームに入ったら皆んな中国人のような人民服を着ていた。まあ良い大学をでているようなので、カツアゲの対象には直ぐにはならないような方々であった。困ったような顔をしていた。ヤクザも革命後は唯の芸もないカツアゲ集団と化していた。双方芸も無く無策なままだった。頑張っても金くれねー、頑張らなくても隣人と同じだけもらえるので、アナーキーというかとにかく無策になって、色々な物の質が低下していった。自分もどんどんダメになってゆくのが分かった。その時、突然尿意を催し張った目が覚めた!便所に駆け込んで放尿そしてほっと一息!あー助かった、大雪なだけか。例年並み!

以上

この短編小説にはまだコメントがありません。
ぜひ一番最初のコメントを残しましょう。