『同業者』

 私は長野で探偵業を営んでいる”ジャス”というものですが、同じ地区に同業者であり良きライバルとも言える”ピコ”という東大出身の探偵がいます。普段は仲良くやっているのですが、時たま意見が合わない時もあります。いつも私の武勇伝ばかりで恐縮ですので、”ピコ”の奴のも書いてやろうと思います。
 そのことが起こった時、”ピコ”は高校時代からずっとS価学会にアンダーカバーで潜入していました。昼休みには一緒にクネったり、大学に入ってからはゲイですから、ETAの信者で友達になった奴のカマを掘ったりして怪しまれないようにしていました。いつかかきっと白骨になっている弱者の無念を晴らし、スーパーヒーローになって無事生還し国民的な英雄になろうと誓っていました。繰り返して言いますが”東京大学”の”理科一類”を卒業しています、4年で。
 そんなある日、と言っても1種間くらい前、友人の”カノー”に誘われて、信州サテライト千曲へ競輪をやりに行ったんだそうです。2人はVIP席で競輪を観戦していました。”ピコ”の方は片時も仕事を忘れずにスマホで敵の様子をサーチしていたそうです。”カノー”は”仕事熱心な奴だ”と独り言を言いました。そんな時急に”ブリー”と漏らしの音が聞こえ”臭っサ”となりました。そのおとは館内全体に響き渡り、匂いも全域に充満してしまいました。”カノー”は係員に言って、救急と警察を呼んでもらいました。間も無く到着し”ピコ”はトレパンに着替えさせられました。その後ストレッチャーに乗せられる時に警官にDrug checkをされました。小指にちくっとされた時、テスターが真っ青になってしまいました。””ピコも”ブリー”っともう一発キツいのをやり、警官に取り押さえられました。そして千曲署に連行されてから、篠ノ井橋病院に軟禁されてしまいました。今は富山にいる模様です。
 皆さんが不思議に思っている一発目の原因ですが、仕事と言って本当の所、信奉会の幹部がとある著名人に威力業務妨害をしているのを見張っていたのですが、その著名人のエージェントである”近松組”が幹部二人を現行犯で射殺してしまい、”ピコ”はライヴでそれを見てしまった事です。
 以上、人は変われば変わるもの!

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