当時小学生だった私は同級生達と趣味が全く合わなかった。
フリルが付いた服なんて微塵も興味がなかった。動きやすければなんでもよかった。
お化粧にもアイドル?芸能人?まったく興味が無いまま生きていた。
人の好きな物はそれぞれ違っていいはず。私はそう思いながら毎週日曜日の朝は必ずテレビを見る。
そして毎日毎日走った、筋トレをした、そしてたくさん食べたくさん睡眠をとった。
困っている人がいたら手を貸したり、パトロールも勝手にしていた。
同級生からは不思議がられていたが私は
いつもヒーローになることだけを考えていた。
ヒーローになるために。
体つきは少しずつ蛹から蝶になるように成熟していったが中身はあまり変わっていなかった。
子供らしい夢だとよく言われたがあまり嬉しくなかった。それは言ってる相手はみんな同じ目をするからだった。
遠くを見るような、私を見てるけど私の先を見ているような目。
夢として認めていないことが丸わかりだった。
その人内心は分からないでも目はみんな同じだった。
両親や親戚も最初は優しい目をしていたが学年が上がるたびに1人、また1人みんな同じ目をするようになっていた。
中学生となり、進路を決める時期に私は全てを粉々にされた。
「真剣に考えろ」「現実を見ろ」「もう判断がつく年頃だろ」「かないっこない」「冗談をいう場じゃない」
これ以外にもたくさんの言葉を担任に殴るように吐かれた。
そして言葉で殴ったあとに夢をなかったことにされ話は再開された。
何も無かったかのように。
警察官になりたい人、パティシエになりたい人、看護師になりたい人、保育士になりたい人。
クラスには夢を持っている人は他にも沢山いた。まだわからない人も半分はいた。
悔しいのは私の夢だけがなかったものにされ、頭を冷やしてこいと言われたことだった。
先生達が言っていた言葉も理解はできる。彼らが言う進路とはどこかに所属しお金が発生する。そして社会の為に何か貢献できるもの。
同時に理解した。
その枠にヒーローは当てはまっていないことも。
正義の味方、彼らにとってそれは国民を守る警察官や自衛官の事でヒーローみたいなテレビやお話の中でしかいない存在の事ではなかった。
馬鹿にされた顔をしてくる担任の顔。はぐらかしている訳では無いのに、あの優しい先生が今は別人のように感じた。
私は警察官や自衛官になりたいわけではない。
でも通じなかった。
結局私の成績で行ける高校に進学することにした。
高校生になったら今より酷いことを言われるだろう。
そんな確信が私の中にあった。
ヒーローになりたい少女のお話です。 本当に乗らないと書かなくてすみません。他の話も色々ストックは溜まってきているので少しずつ書いていこうと思います。