『事件簿NO.7 メッッセージ・イン・ア・ボトル』

 渓流釣りも解禁され、釣り好きの筆者も、早速白馬のいつものポイントへ出向き、ルアーフィッシングを楽しんでいた時のことでした。何やら上流からからの空き瓶に入った手紙が、ドンブラココッコと流れてきました。筆者は空かさずネットで掬い上げて、コルク栓を抜き中の手紙を取り出しました。そこにはなんと“ヘルプ・ミー!!”と書かれ、何やら怪しげな教会の地図が書かれていました。これは商売になるのではと、釣り道具をたたんで急ぎ足で、そこに書かれている教会へ向かいました。
 教会に着くと、沙悟浄みたいな司祭の人が出迎えてくれました。どういう事か要件を伺うと、何と、敵対するカルト教団の呪いで、教祖の姫が長い間死んだように眠らされているとの事でした。姫さえ目を覚ませば、S価学会をも凌ぐ新興宗教にも勢力を拡大できる大教団に成るとの事でした。周りには、信者のミッジがお祈りをしたり、囲んで歌を歌ったりしていました。中には、アメリカのテレビゲームのチャンプや、何と昔の同僚の武井くんや、同級生の小僧と言うニッックネームの奴や、パリ市警のカミーユ・ヴェルーベン警部まで居ました。
 筆者は考え、こう言うケースは、姫にキスをすると起きるのが普通だろうと思いました。そこで、司祭に、そう言う事はして見たかと尋ねると、司祭は、自分もしたし自分の父親もした。他に信者のミッジも全員したと答えました。私も試しにして見ると、何と姫はムクッと起き出し、大アクビをしたかと思うと、ミルミル歳を取り皺くちゃになって死に、最後には白骨化してしまいました。筆者はその恐ろしさに腰を抜かしそうになりましたし、司祭はもう抜かしていました。信者たちは蜘蛛の子を散らすように逃げ帰ってしまいました。司祭に、この人は一体幾つだったのかと尋ねると、もう今年で147歳にも成る年で、うっかりしていたとの事でした。筆者は祈りを捧げ、司祭に別れを言って帰路につきました。釣果の方はボウズでした。
 以上。ではまた!

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