むかし、むかしある所に1人のおばあさんがいました。
おばあさんは森のおくにある赤い屋根のおうちに住んでいました。
おじいさんはいません。ただかわりにお薬を作ることが上手でした。
おばあさんはまじょでした。
薬を作ってとなり町から来た病気の人に渡してあげたり
森に住んでいるどうぶつ達のお医者さん代わりをしてくらしていました。
おばあさんは森が大好きでした。
毎日朝早く起きて森の中を散歩します。
鳥達のさえずりやいっしょうけんめいにさいている花達、元気に動き回っているどうぶつ達。
その光景をみるのが大好きでした。
散歩が終わり、朝食のトーストを食べ終えたおばあさんは
森のおく深くにあるひみつの花園へと足を運びました。
この場所には森の中でしか育たない花や花のみつ、木の実や果物がたくさんあります。
病気をなおす薬の材料になるのでおばあさん以外この場所を知りません。
わたししか知らないひみつ場所、おばあさんは少しさみしそうな顔をしていました。
「こんなにキレイな所は他にはないのに」
おばあさんはそう言ったあと花園の中心に生えている大きな木に向かって歩いて行きました。
大きな1本の木、その木はほかの木々達とちがい、葉っぱの色が黄色でした。
気味が悪いと思う人もいるかもしれませんがその木を知るのはおばあさんだけ。
おばあさんはその木が好きでした。
おばあさんは木向かう途中で木の根元に何か置かれていることに気づきました。
おばあさんは気になって木の根元にちかづきます。
木の根元にあったものは大きなたまごでした。おばあさんの腰あたりまであり、随分大きなものでした。
表面にきずひとつなく、たまごの色は暖炉の日みたいに真っ赤な色をしていました。
おばあさんはこのたまごがどんな生き物のたまごが知っていました。
ドラゴン
ドラゴンはかたいうろこでおおわれて、口から火をはいたり、するどいつめや長いしっぽが生えてる大きな生き物です。
とくにドラゴンは何でも食べてしまうこわい生き物でした。さまざまな色をしたドラゴンがいておばあさんも見たことはありません。
「なんでドラゴンのたまごが」
たまごをうむ生き物はすを作りその中でお母さんが卵を温め育てます。
ドラゴンはけわしい山を好み、山の頂上にすを作ると本に書いてありました。
ドラゴンは子どもを大切にする生き物で有名でした。
そして大きな生き物なのでもしこの場所にすを作っていたとしたら花達はふみつぶされ、木はおられていたはずです。
しかし、ドラゴンがここにいた様子はありませんでした。
おばあさんは困った顔をして考えこんでしまいました。
放っておくことも出来ない、かといって育てることもむずかしい。
人間とドラゴン、たくさんちがう部分があります。とくにドラゴンは成長が早く、家より大きくなります。
おばあさんが考えこんでいるとコロンコロンとした音がたまごから聞こえました。
たまごは木の根元からおばあさんの足元にいどうしていました。
困った顔をしながらおばあさんはけっきょくたまごを育てることにしました。
たまごを育てることにしたおばあさん。
たくさんのことがありました。
なかなか生まれてこなくて慌てふためいたり
生まれた姿に感動してひとめだこうてして指を噛まれたりしました。
何を食べるかわからないので町で買ったベーコンをあげたらたくさん食べたり
たくさんのことがありました。
ですがおばあさんはいつもニコニコしていました。
それはドラゴンの子どもがとても可愛くて仕方なかったからです。
おばあさんは今日もわが子のためにおいしいご飯を作っていました。
めでたし、 めでたし。
少年「なんだこの絵本みたいな内容は」
おばあさん「アンタを育てる時のことを書いたんだよ上手くできているだろう?」
少年「自分で言っていて悲しくないか?ばばあ?」
おばあさん「お前が名前を呼んでくれない方が私は悲しいよ」
少年「ばばあ は ばばあ だろ?」
森の奥深くにある薬屋 ドラゴン亭
ドラゴン亭ではゲンコツを食らわせた事に対して涙目になりながら文句を言うドラゴン(息子)と、聞いてるふりをして何も聞いていない老婆(母親)が今日も楽しそうに暮らしていました。
こんにちわ久利です。数年ぶりにはてしない物語を読みました。ミヒャエル・エンデは本当に大好きです。 話が私事になりますがこのお話の続きを今週中に書いて残りの回収していないお話を投稿する予定です。 ドラゴンも龍も好きで書くのが楽しかったです。ここまで読んでいただきありがとうございました