『事件簿No.8 完全犯罪』

 ウッカリしているともう夏も過ぎ季節も秋です。筆者もこの夏のうだるような暑さに、脳みそが溶けそうになっていたところ、いつもお世話になっている武田弁護士からトッピな依頼がありました。依頼内容は、若い刑事が殺人罪で捕まったので弁護を依頼されたのだが、不審な点が多く、捕まった刑事もまさか殺人を犯すような人物ではなく、本人も事件への関与を否定しているとのことでした。
 早速伺い、事情を聞いてみると、ある科学者の奥さんが殺されたのですが、凶器がその刑事の拳銃であったというものでした。その刑事のいうことには拳銃は犯行日時の前に日に一旦盗難にあっていて、上司には届けを出していたのだですが、その日のうちに本人の机の中から見つかって、届けを取り消していたとのことでした。しかし、一発だけ発射されていて、その銃弾の痕跡と科学者の奥さんの致命傷になった傷との銃痕が一致したとのことでした。謎は深まるばかりです当日の本人には、特にこれといってアリバイもなく、まさかこんなことになっていようとは思ってもいなかったとのことでした。しかし、巷では、科学者の奥さんとの不倫関係が噂されていました。
 科学者の伴 富雄(54)さんというのはとても変わり者で知られていて、もう少しでTVに出そうなくらい変なことを言っては、愚にもつかないものを発明したり、おバカな研究をしたりしている人で有名な人でした。奥さんというのは20歳も歳が若くまあまあの人でした。
 筆者はもしやと思い、シャーロック・ホームズが若くマッドサイエンティスト伴の研究室に忍び込んで、こちらの推理したものがあるかどうか探しました。そして発見しました。それはなんと、“タイムマシーン”です。おまけに、犯行に使われた“通り抜けフープ”も発見しました。そこで、急いで担当の飯田警部に電話し、科学者を即刻逮捕しました。科学者は、それはもう犯行を認めるしかありませんでした。「嫉妬に狂ってやってしまった」とのことでした。
 その後、その刑事は釈放されましたが、今どうなっているかは知りません。
 以上、すごい事件でした。では次回!

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