『二択の迷宮』

「ちくしょう迷ったな。」
 俺は頭を抱えた。
 目の前には2つの道がある。

「右にするか左にするか。」
「左にするか右にするか。」

 どちらを選べばいいんだ。どっちが正解なんだ。
 この二択…俺には分からない。
 時間が経てば経つほど俺は焦る。
 早く決めなければ。
 チクショウ…なんで俺はこんなところ一人で来てしまったんだ。仲間を連れて来ていたら、こんな二択簡単に乗り越えてみせたのに。

 いや、モンスターや化物が出たんじゃないんだ。こんなところでウジウジ考えても仕方がない。

「そうだ。俺は俺の道を突き進む。」

 意を決して俺は声を出した。

「おばちゃん、から揚げ定食一つ!」

「あいよ!」

 おばちゃんの威勢のいい声が厨房から響いた。

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