『眠姫』

明け方の淡い空を見る度に君といた日々を思い出してしまう。
君が眠ってから六年も経つというのに未だに忘れられないなんて言ったら笑うかな。
いつものように、朝の珈琲をカップに注ぎ、笑っている君の写真を眺める。
いつの間にか昇っていた太陽が差し込んで、より一層笑顔が綺麗だった。
「今日も笑顔が素敵だね」
そう言うと朝の冷たく澄んだ空気が、懐かしさと悲しさの入り交じった心に吹き抜けていった。

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