『崩壊』

世界が終わる。
未来が崩れていく。
こんな大戦争の中、僕達は意味も無く歩いた。

「綺麗な海だね」
あなたは目をキラキラさせながら言う。
汚染された青い海を見ながら、僕は小さく頷いた。

もう時期ここも戦場になるだろう。
遠くで聞こえる爆発音を聴きながら思った。
あのミサイルが、あの銃弾が、あなたに当たら無いことを静かに祈る。

「どうしたの?」
黙りこくる僕に心配したのか、顔を覗き込んできた。
「なんでもないよ。そろそろ雨が降る、帰ろう」
そう言うと、足を帰路に向ける。
今日も死の雨が空から降り注ぐ。

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