『泥水』

 嫌で嫌いで好きで過ぎて堪らなくなる。

 明日、明日、明日、朝に、夜が開けて拠り所がない。
 足を掬われ足はすくんで、味がしない明日の世界に。

 紫煙が夜中に溶けた日に浮遊、「そろそろ終わりにした方がいいね」は
 私怨を彼方に投げれば霧散、「なんで踏み出せてないんだろうね」と。

 勝手に生きた使い勝手の良い言い訳を考えた。
 無秩序に並んだ秩序は悪い言い訳に遮断される。

 朝になったらなにしてるかな。
 夜になってもなにもしないよ。

 無感情に浮かんだ愛憎は綺麗に切れずにぶら下がっていく。
 待ってと死んだ不自由さの自由な使い方を忘れてしまう。

 曖昧を貴方に投げれば悲惨、「どうしてそんなに下手くそなの」と
 哀愁の最中に呆けては飛散、「もう新しく始めないといけないね」は。

 朝を待たずに明日は怯んで、君がいない昨日の未来に。
 今日が、今日も、今日は、君に、涙は拭えず選りすぐれない。

 嫌で綺麗で過ぎて透き通って行く。

 酷く濁った気持ちだけがはっきり見える透明さにいま、足を洗ってしまいたいの、さようならと言えないままに。

 吐く血溜まり。舌足らずの夢。

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