『夢空』

空はどうしてあんなにも青くて広いのだろう。
どうしてあの空は、あんなにも心揺り動かすのだろうか。

締め付ける想いを胸にいつも思うのだ。
どうしてこんなに苦しいのだろうと。
「嫌な事全部忘れられたら楽なのにな」
夏の潮風に吹かれながら、届くはずのない青すぎる空に手を伸ばす。

きっと僕が描いた空は、とても不格好で色がないのだろう。
それでも僕は、この終わりのない空を描き続けていのだ。
彼らと同じ空を描き続けていたい。

「あと少しだけ頑張ってみよう」
そう言うと、僕は陽炎揺らめく八月の夏空に飛び込んだ。
彼らと同じあの空を描く為に。

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