『おやすみと引き替えに』

僕の道化を笑ってくれるか
歪んだ遠近法の果てに
君がそこに立っている逆さの世界と
誰かが呼び掛ける耳鳴りの音
僕に出来ることが何もないのなら
自意識に紛れて過剰な楽しい世界が
君の明日に石を投げつける
だから君が嫌いだった

僕の動機を笑ってくれるか
滲んだ消去法の先に
君がここで去っていくぼやけた日々と
誰もが食い掛かるがなった声に
君に出来ることも何もないから
美意識に溺れて過労で悲しい現実
君のこの世に意味を投げつける
そして君が嫌いだった

僕の動悸を笑ってくれるか
混じった違法の中に
君がどこで狂っているのか眠れないまま
誰でも襲われる軋んだ命
誰に出来ることも何もない
無意識に汚れて荷重で虚しい自分に
君の未来にゴミを投げつける
だけど君が嫌いだったから

黙って笑って怒ってだからそれでだけど
君は誰で僕は誰で、誰は人で
意味などない、昨日。
おやすみなさいと地球は言った。

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