『事件簿No.12 不思議な子供』

 つい先だって出張で温泉旅館に泊まった時のことです。私は難事件を抱え、そのケースをクローズしようと、一生懸命推理に没頭していました。ところが、頭を使いすぎて疲れてしまい、ついウトウトその内グーグー寝込んでしまいました。ところが急に胸のあたりが苦しくなって目を覚ましました。なんと私の胸の上に4、5歳の子供が乗っかっていました。私が起きると、おじちゃん遊ぼうと言って、半ば強引に遊ぶことを強要してきました。旅館の子供かな?と思い、仕方なく、隠れんぼや戦いをして遊んであげました。おかっぱ頭の子供は、キャッキャッキャッキャッ言って楽しそうでした。
 面白い子供だなと思いました。私はまだ独身で子供がいないので、子供の頃弟とよくした遊びを伝授してあげて、少し得意でした。子供も遊び疲れたらしく、また来てね!と言って、帰って行きました。私も遊び疲れて、また寝に入って、朝まで寝てしまいました。
 次の日、精算を済ませて仕事に行き、担当の刑事にその話をすると、あの旅館にそんな歳の子供なんていないと言われました。でもドーユー分けか、頭がその日は非常に冴え、前の日あんなに頭を抱えていた難事件を、いとも簡単に解いて、それ相応額のギャラをもらって帰路につきました。なんか良い事もあるもんだ思い、その子供のことを考えていて思ったのですが、ヒョットして座敷童⁉︎まさかなー。妖怪のおかげで、あんな難事件を解けるアイディアを思い付くなんてあるかなー⁉︎結構繁盛させてくれるいい妖怪だって言うしなー。なんて、他力本願はいかん!

以上
 
 
 

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