夜の土手に座って、考え事してた。
川向うの集落では、雨降りの夜になると必ず光が漏れて、晴れた夜は雨戸がぴしゃりとしまっている。
川からたつ霧の向こうで、揺らめき瞬き、それはまた蛍のような、星空のような光を放つ。
雨上がり、光は消えかけて、道端の葉をむしって、川に流すと、光の揺らめきの中に消えて行った。
もうすぐ、鉄道が川を通るらしい。
霧の中を煙を吐く車が通るのは、またあの集落が遠くに感じる気がした。
雨上がりの星空の向こうに見える石炭袋に手を伸ばして、ほじくってやろうかと思った。
そっと立ち上がり、暗闇の駅舎へ走った。
夕方と同じ音の響く街並み。暗闇の駅舎に光が灯り、客車がそっと佇んで、吸い込まれるように扉の向こうへ駆け込んでいた。
せせらぎが響き渡り、夜の闇は吸い込まれるように暗く。
自分が自分でなくなっていくような気がしていた。
川向うの集落では、雨戸がぴしゃりとしまっている。
雨上がり、蛍の光は消えかけて、道端の葉をむしって、川に流すと、光の揺らめきの中に消えて行った。
またどこかで会えるような気がした。
凄いなぁ…。ほじくってやろうの印象半端ない。 これをモチーフに背景を水彩画で描いたらすごいいいんだろうなぁって思ったよ💭 4個目楽しみです♪