『普通』

普通、フツウ、ふつう。
私は、いたって、普通の女だ。特に秀でた所もなく、20年間生きてきた。家族との関係も良好で、
付き合ったばかりの彼ともうまくいっている。
大学での、生活は楽しいし、これといった、トラブルもない。それでも、私は、不満がある。

ふつう、フツウ、普通

それは、私の生活は、普通、に溢れているということ。
どこを見ても、ふつう、の毎日で、ありきたりな風景が広がる。
刺激がほしいからということでもない。私は、フツウで良い。
対義語の特別なんて、私には無関係なのだから。
あみだくじを引くように、人生なんて決められているものだろう。
それは、幸福と不幸はいつも、隣り合わせだということを教えてくれる。

朝、目玉焼きをつくろうと、キッチンに立つ。
トントン、ぱかっ
黄身が二つ、
これが、日常の普通な幸せ。

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