『雀のうわさ話』

 ペットは、かなり昔、子供が出来る前に小鳥を飼ってたが、家内が餌やりの時に、ちょっとしたスキに逃げられてしまい、それ以来飼ってない。

 ところが、近頃はベランダに雀が日参している。
ある日、小皿に米を少しだけ盛って置いておいたら、朝見ると、いつの間にか食べて綺麗に無くなっていた。
それ以来、家内が毎晩米を出しておくと、朝には食べきってる。

 昼になると、またやって来て、窓越しに、室内をチラ見しながら「チュンチュン」とせがむが、クセになるのであげない。
すると、今度は仲間を三匹も引き連れてチュンチュン合唱が始まる。

その騒ぎで、最近は、鳩や時にはカラスさえやって来る。
どうやら、彼らの間でも、口コミであそこのベランダに行けば米にありつけるという妙な噂ばなしが密かに広まっているらしい。

 ちなみに、雀たちは、生米しか食べない。ご飯では、一日たっても口にしない。雑食のクセに、せっかくのご飯は彼らにとっては、まずいのかもしれない。贅沢極まる雀どもだ。
今晩も家内が小皿に米を盛り、明朝を待つ。

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