「君は誰だ」
「わしか、わしは魚や」
「魚屋?」
「違う、魚そのものや」
「へぇ、でなんで魚がこんなとこで何してんの」
「別にええやないか、ってかお前は誰やねん」
「俺か、俺はあれや妖精や」
「嘘つけ、そんな妖精おらんやろ」
「妖精やっちゅうに」
「嘘言え、わし海の下の方でお前そっくりなやつ見たことあんで。
名前なんやったかいなぁ。
ええぇっと、あれや首んとこまで出てきとんのや」
「魚に首は無いやろ」
「うるさいニュアンスやニュアンスの問題やいちいちうるさいねん。
ってか思い出したわ自分。
お前なあれやろ、お前ダイオウグソクムシやろ。
わし見た事あるもん」
「ちゃうわい、妖精や。
こんなダイオウグソクムシ見た事ないわ」
「あっ、嘘ついとる。
お前やっぱりダイオウグソクムシやないか。
その水槽の下にダイオウグソクムシってプレート貼ったるやないけ何が妖精や」
ほな!
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