『フライパン男(上)』

これは私がまだ中学生だった頃のお話です。

当時フライパン男と言う噂話が私の中学校で流行っていました。

内容はシンプルであまり夜中遅くまで出歩いているとフライパン男に遭うから気をつけなさいというものでした。

今はどのような噂話が広まっているのか知りませんがこの話を聞いた当初、いきなりフライパン男に気をつけてと言われても何を言っているか全く理解できませんでした。

そもそもそんなアバウトな噂を信じろと言われても無理があります。気をつけて?何か悪さをする内容じゃないのかな?詳しい内容が気になったのでその話をしてくれた友達に

「フライパン男ってどんな見た目をしてるの?」と聞いてみました。

校内で流行ってるのは知ってましたが直に聞いたのは友達が話してくれたのが初めてでした。

友達は本当に知らないの?と言いたげそうに驚いた顔をした後に

「確か、フライパンを右手に持っていて服装は真っ赤なパーカーを着てるんだって!!出るのは夜遅くで暗いし、フードを被っているらしいから顔は分からないみたい」

って少し思い出すように教えてくれました。

なんだフライパンを持った人じゃないの?お化けとかの方がまだ信憑性あるのにとか当時は思っていました。

当時の自分自身夜遅くに外出した経験がなく、フライパン男が出る時間の夜遅くは午後9時ぐらいを指しているのかなと勝手に納得していました。

今考えてみれば夜中にフライパンを持った人物が現れること自体おかしいのですが、その点に関して私は疑問を覚えていませんでした。

フライパン男の事が気になってましたが、私は納得してしまいこの話はここで終わりました。

そして1カ月、2カ月と月日は流れ、噂は話の中に埋もれていきます。私もすっかりフライパン男の話を忘れてしまっていました。

忘れてなければ、あんな目にはならなかったのかもしれません。

(続く)

後編書くかは未定です。ショートじゃないお話ばかり書いていたのでショートな物に挑戦してみました。

フライパン男の話、この後どうなるのか気になります!笑

>ヘイティエンさん コメントありがとうございます!!!この作品はオチを決めずに書いたものなのでまだしばらくかかるかもしれません。気長にお待ちください 読んで下さりありがとうございました!