『「名医」No.66』

刻々と時間だけが過ぎる。

何時間経っただろうか。

手術中の赤い光はまだ消えない。

まるでそこだけ切り取って、時間が止まってしまっているようだ。

彼はいや、彼女はいやいやどっちだったっけ。

とにかく、どっちでもいいから早く助けてほしい。

いつまで待たすのだ。

それもそのはずだ。

ブラックジャックの同じページを開いたまま眠っているわけだから、いつまで経っても治るものも治らない。

早くページをめくってくれ。

      ほな!

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