『「宇宙病」No.73』

私には分からない。

先ず分からないという事さえ、分かっていないのかもしれない。

自分がどうして生まれたのか、何のために生まれたのか、そしてなぜ死ぬのか。

死ぬなら生まれなければいい。

種の保存。

その種類の生き物が存続していったらどうであるのか。

その意味も分からない。

仮に生まれて新しい生命を産み落として死んで行くとして、感情は必要なのか。

無の状態で坦々と繰り返せばいいのに。

なまじっか感情があるから、この様な事を考えてしまう。

考えようが、考えまいが、生まれているから死ぬ。

死なない人間は今の所いない。

全員死ぬのだ。

だったら生まれなければいい。無ければいい。

無かったことにすればいい。

ビッグバンもダークマターも、何もかも無ければいい。

考えなくていい、感じなくていい。

キリストもブッダもアラーも居なくていい。

地球も月も太陽も無くていい。何もかも無くていい。

もういいんだよ。
もう…

ある宇宙船が傍受したメッセージだ。

彼らには私たちの声はノイズにしか聞こえないらしい。

だから解読するものもいず、そのままスルーされた。

      ほな!

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