私には分からない。
先ず分からないという事さえ、分かっていないのかもしれない。
自分がどうして生まれたのか、何のために生まれたのか、そしてなぜ死ぬのか。
死ぬなら生まれなければいい。
種の保存。
その種類の生き物が存続していったらどうであるのか。
その意味も分からない。
仮に生まれて新しい生命を産み落として死んで行くとして、感情は必要なのか。
無の状態で坦々と繰り返せばいいのに。
なまじっか感情があるから、この様な事を考えてしまう。
考えようが、考えまいが、生まれているから死ぬ。
死なない人間は今の所いない。
全員死ぬのだ。
だったら生まれなければいい。無ければいい。
無かったことにすればいい。
ビッグバンもダークマターも、何もかも無ければいい。
考えなくていい、感じなくていい。
キリストもブッダもアラーも居なくていい。
地球も月も太陽も無くていい。何もかも無くていい。
もういいんだよ。
もう…
ある宇宙船が傍受したメッセージだ。
彼らには私たちの声はノイズにしか聞こえないらしい。
だから解読するものもいず、そのままスルーされた。
ほな!
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