『「男子と女子」No.74』

手の甲が触れ合った。
そこだけ熱くなってきた。
手を繋ぎたい。
もう四回も会っているのに、顔もよく見れいない。

手の甲が触れ合った。
少しドキッとした。
手を繋いでこない。
もう四回も会っているのに
顔もなかなか向けてくれない。

カフェで一休みする事にした。
なんとか顔はそちらに向けている。
目は口元あたりを見ている。
もしくはもっと別のもの。
見つめ合いたいのに。

カフェで一休みする事になった。
こっちを向いているけど、目は合わない。
もしくは目を合わせようとしていないのか、見つめ合いたいのに。

なんとなく街中をウロウロした。
目的地はない。
本当の目的地はある。
ホテルに行きたい。
ラブホテルに。

なんとなく街中をウロウロした。
目的地はあるのかしら。
少し疲れてきた。
本当の目的地はある。
ちゃんと正式にお付き合いしたい。

結局この日も何もせずに終わった。
五回目はあるのか。
今度こそ手を繋いで顔を見て、目を見つめてラブホテルに行こう。

結局この日も何もせずに終わった。
また誘ってくれるのかしら。
今度こそ手を繋いで顔を見てもらって、目を見つめて告白してほしい。

      ほな!

この短編小説にはまだコメントがありません。
ぜひ一番最初のコメントを残しましょう。