ホラー

  •  おんぎゃおんぎゃおんぎゃ……  秋だった。  よく晴れた高い空を一羽、二羽と懸巣が遊ぶ眠たい昼下りだ。  綺麗に着飾った女が一人、重そうにして乳母車を押しながら河っペりを歩いてる。 ... 続きを読む
  • 山道めらめら
     じょーわじょーわじょーわ……  九月も半ばを過ぎたのに、まだまだ暑くて日差しが強い。蝉時雨も耳を劈くようだ。  もう腕が千切れそうだ。重たい革張のキャリーバッグを引きずって、あたしはか... 続きを読む
  • 白知二色燕丈
    キィエアアアア  それはまるで機械音のようなバックグラウンドで耳につき。 キィエアアアア  白昼、観覧車のベンチの上の、 くるくると回るあの箱を繋ぐそれが軋む音を思い出すよう... 続きを読む
  • 本当は下田玄
     これは、夏休み真只中のある日、友人と行った心霊スポットで体験した話です。 「なあなあ、あそこってヤバイらしいな!」 終業式後に話しかけてきたのは、以前から仲の良い敦(仮名)でした。... 続きを読む
  • 私はなにか、買い物をしていた のだろう。疑問形なのはここまでの記憶が思い出せなかったからだ。 パーカーに長ズボンいつも買い物に行く時の服装だった。 ただ何を買いに来たの... 続きを読む