新着のショートショート一覧

  •  その日、僕らは散歩をしていた。  よく晴れた日で風がとても心地いい。  新入りの男の人と一緒に病院の敷地をとことこと歩いていく。  ヤマネが後ろから車いすを押して、ミカが横で... 続きを読む
  •  スマホで メッセージを送ろう。  そう思ったけれど、なかなか文面が決まらない。  メッセージを送るということは決めているのだけれど、何を送るかは決めてなかった。  どうしよ、... 続きを読む
  •  ぴーぴーぴー。  こちら惑星、地球のどっかです。  ぴーぴーぴー。  おうとうねがいまーす。どーぞ。  ぴーぴーぴー。  へんとうありませんよー、どうぞー。 ... 続きを読む
  •  その日、僕はラジオ体操をしていた。    朝の公園で、周りに人はほとんどいない。とはいっても、不思議な話で完全に一人でやっていたわけではなかった。  僕の隣で女の人が、スマホから響く... 続きを読む
  • 病院の窓から大空に五線譜が見えた 僕は音楽が大好き。頭の中は新曲でいっぱいだ でも手が動かないし、人工呼吸器に繋がれているから声が出ない。 本当は大きな声で歌いたいんだ ピアノも弾き... 続きを読む
  • 「白いカーネーションの花言葉は『純粋な愛』『私の愛は生きています』なんだって。今の私達にピッタリじゃない?」  悪戯っぽく笑ってパスした純白の花束は、目の前で眉を寄せる彼の華奢な腕へポ... 続きを読む
  •  拙い言葉をあと幾つ積み上げたらいいのだろう。  自分というのものが伝わらない、と感じたのはいつからだったっけ。  覚えていないくらい昔のことのような気がした。  そもそも最初... 続きを読む