SF

  •  カクテル、カクテル、カクテルチェーン。何だかおかしな響きだカクテルチェーン。はいはい、チェーン店ですよ、雇われ店長ですよ。『BARアンドロイド』、7席のカウンター。そこが俺の城。  カラン、... 続きを読む
  •  女性に対して異常に内気な男性Xがいた。男性Xはこれまで女性と交際をしたことがなかった。  もちろん、そんな男性Xでも人並みに恋をした事はある。しかし、男性Xの恋は、いつも意中の女性を眺め... 続きを読む
  • 金で買えないものは、昔よりも更に減った。 俺たちは、放った言葉と、それにまつわる歴史すら、書き換えられるようになった。耳を揃えて、代償さえ払えば。 会話のリフォームは、まあ、安い買い物で... 続きを読む
  •  もう暑さなんてどこにもない。命を賭した蝉の叫びも、はしゃいで駆け回る子どもの声も、何もない。塀の側でただ静かに揺れる、背の高い雑草がゆらゆらと踊っているだけだ。何処へ行くのだろう。部屋の窓... 続きを読む
  • 彼ら下田玄
     彼らははじめ、群れをなし、広大な野山を駆け回って自由に暮らしていた。えさ場やねぐらの事で時々他の動物達と衝突することはあっても、お互いに共存を心がけ、穏やかな日々を送っていた。  ある時、彼... 続きを読む