純文学

  •  時に、朝の極彩色が聴こえない。  僕は目を覚ます。  さっきまで見ていた夢は一体なんだったのだろうと悲しくなることがある。  右耳に映した感情が痛い。  どうしてこんなにぼ... 続きを読む
  • ふと窓の外を見れば、庭先に沢山の立葵の葉が見えた。その大きな葉がポツポツと降る雨に打たれて揺れている。 どんよりとした天気に関わらず、茎は地面から天高くまっすぐ伸びていた。 下の方にはだんだ... 続きを読む
  • 春は泣くkasumi
    近所の小学校裏の道は、昼間でも日が当たらない。夕方になれば学校帰りの小学生だとか犬の散歩にでてきた人でそこそこ賑やかなのだけど、お昼頃は目立った人通りが無いのでいつもしんとしている。それは不気... 続きを読む
  • 古の都T✳K
     誰もが承知しているであろう『清水の舞台から飛び降りる』との言葉。  清水の舞台上から並んで見下ろしている君が笑顔で話す。 「いつも思うねんけど、そんな高ないね」 「旦那さんとも来たことあ... 続きを読む
  • Comet二色燕丈
     僕を一人置いて行く世界を考えたことはあったけれど、僕が一人世界を置いていくとは考えたこともなかった。  そこで僕が手にした凶器は言葉、染めるのは青色。君は真っ白く美しいから一息で殺したく... 続きを読む